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経済

サッポロビール「健康食品」の大嘘

「虚構」の効能で消費者を欺く手口

2018年11月号

 学術にその名を借りて、カネさえ払えば、劣悪で信頼性の著しく低い論文をあたかも正確で斬新なように偽装するハゲタカ学術誌。本誌十月号は、アカデミズムの世界を愚弄する似非メディアの妄用に「味の素」が手を染めていた事実を詳述したが、あくまでも氷山の一角だ。食品業界では、この似非媒体を巧みに駆使した販売促進活動が常態化している。黒ラベルで有名な、大手飲料メーカーの中核「サッポロビール」(以下、サッポロ)とて例外ではない。
 サッポロは一八七六年(明治九年)に明治政府が設立した老舗だが、その前途は明るくない。グループの売り上げの約半分を占める国内の酒類市場が縮小しているからだ。国際会計基準の初適用となる二〇一八年一~六月期の決算で売上高は二千四百十七億円(前年同期比マイナス三・六%)、営業損益は三十億円余の赤字となった。
 逆風の同社が期待するのは、乳酸菌事業だ。機能性表示で効能をうたいやすくなり、他の製品との差別化が可能になった。IR資料には「グループ経営基盤の変革」の項目に「独自性のある原料研究の成果を商品開発へ」と題して、レモン、ホップとともに乳酸菌が挙げられている。{・・・