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サウジ脱退「OPEC消滅」の現実味

米国とロシアが望むシナリオ

2018年12月号

 サウジアラビアが石油輸出国機構(OPEC)の脱退を検討し始めた。原加盟国のひとつで、OPECの産油量の三〇%を占め、OPECを率いてきたサウジの脱退はにわかには信じ難いが、原油価格を自国の政策に沿ってコントロールしようとすれば、サウジにとってOPECはもはや制約要因でしかない。むしろ利害関係ではサウジは米国やロシアと共通するものが増えている。電気自動車(EV)の台頭、再生可能エネルギーの普及など石油需要を減らす長期的な流れが強まるなか、サウジは「石油需要の延命と米国による保護」を求め、OPEC脱退の挙に出る可能性がある。

サウジ皇太子の汚名返上

 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は十一月八日付で、サウジ政府が傘下のシンクタンク、KAPSARCに「OPECが解体した場合の影響」を調査するよう求めた、と報道した。
 きわめて唐突な動きで、このニュースに注目した人も、その意味を正確に把握した人も決して多くはなかったが、間違いなく世界の石油産業にとっては超弩級のニュースといえる。「OPECの解体」は二・・・