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政治

防衛大綱改定に潜む「欺瞞」

国防「弱体化」招く政権の大罪

2018年12月号

 安倍政権は日米同盟の強化を大義名分として、米国からの武器や防衛装備の爆買いへ突き進んでいる。熟議が欠落したままの対米盲従とトランプ大統領のご機嫌取りの挙げ句、買い込まれていく数多の兵器は本当に日本の防衛に資するのか。日本政府は高額なリボ払いの辻褄合わせのために、「防衛計画の大綱」と中期防衛力整備計画をこねくり回す。その本末転倒の対応は、安倍晋三首相お得意の「日本を、取り戻す。」どころか、これとは正反対の「国富を、垂れ流す」。米国に唯々諾々と従う安倍政権が掲げる保守という名の金看板を逆照射し、浮かび上がってくるのは「欺瞞」の二文字――。
 「わが国を取り巻く安全保障環境は、現在の防衛大綱を策定した際に想定したよりも格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増している。こうした認識の下、従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていきたい」
「数十年先の未来の礎となる防衛力のあるべき姿を示す」
 安倍首相は昨年来、こんなフレーズを繰り返し、防衛大綱の改定に並々ならぬ意気込みを披露してきた。北朝鮮による弾道ミサイルの乱打・・・