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社会・文化

難民認定「二万人却下」冷酷の日本

「移民拡大」の資格なき入国管理局

2018年12月号

「あなたは偽造パスポートを使って、日本政府を騙したという自覚はあるのか」
「正規のパスポートを持ってるじゃないか。自国に保護してもらえない状態とは言えないだろう」
 それぞれ、我が国に難民の申請をしている別の二人が、審査の過程で担当者から投げつけられた言葉である。どんなパスポートであれ、持っている時点で難癖をつけられるのだ。では、着の身着のまま自国を逃げ出したボートピープルだけが難民かといえば、そうではない。しかし我が国はその意識のまま止まっているようだ。
 〇・一%―。昨年、日本に難民の申請をした一万九千六百二十八人のうち、入管当局が難民として認定した人はわずか二十人に過ぎなかった。認定は受けられなかったものの、特別に在留を許可された人を含めても六十五人にとどまる。ここまで低い数値になる原因は審査制度にあるのだが、「却下ありき」の入管当局よりも罪深い者がいる。本来であれば中立的であるべきにもかかわらず、当局の意に沿って申請者を切り捨てる「難民審査参与員」だ。
 現在、国会では外国人労働者受け入れを拡大するための出入国管理法改正案が議論されている・・・