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経済

今井敬氏の叙勲に政財界で不審の声  異例の「桐花大綬章」の裏で甥が暗躍

2019年1月号公開

元経団連会長の今井敬・新日鐵住金名誉会長に「桐花大綬章」が授与されたことに、政財界の一部で不審が広がっている。経団連会長経験者にはワンランク下の「旭日大綬章」が授与されるのが慣例。しかも今井氏は従来、「勲章はいらない」と固辞し続け、その見識を賞讃する声は小さくなかったからだ。ところが、八十八歳の今になって最高勲章を授与されたことに、「おそらく甥の今井尚哉氏(安倍晋三首相の政務秘書官)の差し金」と囁かれており、叙勲の情実ぶりが改めて浮き彫りになった格好だ。過去の経済人の桐花大綬章受章者は松下電器産業創業者の松下幸之助氏、元東京電力会長の平岩外四氏、元トヨタ自動車会長の豊田章一郎氏など四人だけ。
 今回、今井氏は安倍側近である甥との血縁がワンランク上の受章につながったようで、背後では「圧力」や「忖度」があったという。「今井さんは最晩年になってその名声に汚点を残すことになった」と、心ある経済人の落胆は大きい。
 


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