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経済

「秋田犬ビジネス」が活況呈す 海外での人気が沸騰し引く手あまた

2019年1月号公開

 平昌冬季五輪金メダリストのザギトワ選手への寄贈などで注目された秋田犬が世界で人気を博しており、売り込みに力を入れている。
 秋田犬保存会(遠藤敬会長、秋田県大館市)の登録犬数は国内が二千七百頭、海外が四千頭とついに逆転。海外支部は計十八カ所と増加している。
 国内では大型犬は敬遠される一方だが、ペットブームの中国富裕層の間では、忠誠心が売り物の秋田犬がシェパードに代わるステータスシンボルとなり、血統書付き犬が超高値で取引されている。「先日、ある湾岸諸国の王族が一頭一千万円で日本から二頭輸入した」(関係者)など、秋田犬ブリーダー・ビジネスが成立しつつある。
 政府や保存会は、プーチン大統領らに続き、トランプ大統領にも秋田犬を贈ろうと考えたが、「トランプ氏は清潔好きのためペットを飼わないことが分かり断念した」(同前)。今後、習近平国家主席らにも贈呈しようと「秋田犬外交」を積極的に仕掛ける目論みだ。
 保存会には海外から入手の問い合わせやグッズの注文が殺到しているが、対応が追いつかず嬉しい悲鳴が上がっている。
 


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