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経済

総合取引所構想を腐らす「悪党二人」

私欲で歪む日本資本市場の将来

2019年2月号

 結局、発育不全なのか―。わが国の資本市場が世界の動きから周回遅れに置かれていることはもはや、言うまでもない。そのための挽回策が絶えず議論されているものの、一向にその差は縮まらない。それどころか、昨年来、証券取引所、商品取引所という資本市場の中心部で嘆かわしい事態が露呈している。
「率直に言って、アウトですよ」
 ある大手証券の幹部が怒気をにじませてこう語るのは、昨年十一月二十七日に日本取引所グループが発表したトップの不祥事である。同グループは東京証券取引所などを傘下に置く資本市場の本丸企業だが、こともあろうに、そのCE
O(最高経営責任者)の清田瞭氏が内規違反の投資を行っていたのだ。「資本市場の品質が問われる由々しき事件」(前出幹部)である。

特定銘柄に偏った異常な投資

 清田氏が仕出かした違反行為は、インフラファンドへの投資だ。同グループでは内規で禁止しているにもかかわらず、清田氏は二〇一六年十二月から一八年八月にかけて、総額一億五千万円をインフラファンドに投資し続けていた。・・・

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