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経済

三菱UFJ「旧三和殲滅」の最終章

経営首脳陣「赤化作戦」の非情

2019年2月号

「赤化作戦」。旧三菱銀行出身者らの間では密かにこう呼ばれているらしい。経営首脳陣から旧三和銀行出身者ら非三菱系の“異物”を排除、内部を三菱グループの伝統的なコーポレートカラーとされる「赤」で染め上げる……。
 かつて旧UFJ銀行では主要ポストから旧東海銀行出身者らを駆逐し、旧三和銀勢で独占しようという企みがしきりと展開された。名付けて「緑化運動」。旧三和銀のコーポレートカラーだった「緑」にちなんだものだが、それをもじっての命名か。
 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の次期首脳人事が固まった。三菱UFJ銀行頭取でFG副会長の三毛兼承氏(一九七九年旧三菱銀入行)が今年四月一日付で社長に昇格。平野信行社長(七四年旧三菱銀入行)は代表権のない会長に就任する。FG現会長の園潔氏(七六年旧三和銀入行)は現在、平野氏が兼任している銀行会長の後任に転じ、三毛氏は当面、FGと銀行の両トップを兼務する方針だ。
 FG会長職は取締役会議長をつとめ、グループ発足以来、旧三和銀出身者の「指定席」(金融筋)とされてきた。今・・・