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連載

西風454

西成「中華街構想」の現実味

2019年3月号

 大阪市西成区にある、日雇い労働者の街あいりん地区。その東側に位置する商店街の入口に四つの中華門を建てて一帯を、「大阪中華街」にしようという構想が浮上した。ぶち上げたのは、この商店街で不動産会社を経営する中国人ら約四十人が結成した「大阪華商会」という団体だ。
 場所は大阪メトロ御堂筋線と堺筋線の動物園前駅の南側に十字型に広がるアーケード商店街。東西八百メートル、南北一千二百メートルのエリアである。
 かつては賑わいを見せた商店街では近年、個人商店の閉店が相次ぎシャッターが目立っていた。その空き店舗に二〇一二年頃から中国人が経営する「カラオケ居酒屋」が入るケースが増え、既に百五十軒にも達している。
 構想ではこうした店舗を二五年までに、徐々に中華料理店や雑貨店などに業態転換させるという。さらに百二十店を新規出店し、京劇などを演じる劇場も整備して街の体裁を整える。
 中国人経営者の一人は「西成の活力を高めて地域に貢献したい」と意気込む。
 二月中には住民への説明を開始し、中華門の本格設計を始める予定だ。構想を発表した二月十五日の華商会の旧正・・・