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経済

富士通が銀行システムで「惨敗」

金融界が見捨てた「三流ベンダー」

2019年3月号

 富士通の屋台骨を支えるシステム部門。しかしその信頼性に大きな疑問符がつくことは過去の「システム障害」事例をみても明らかだ。みずほ銀行や東京証券取引所など、この十年間だけでも大きなトラブルが多い。ここにきてシステムベンダーの信頼性を測る尺度ともいうべき銀行の「勘定系システム」の受注で富士通が負け続けている。
 今年一月、東日本銀行は新たな新勘定系システムを稼働させた。旧来の富士通のものに代わって導入されたのはNTTデータの「MEJAR」というシステム。時を同じくして、やはり富士通の顧客だった福邦銀行(福井県)もNTTデータの「STELLA CUBE」を稼働させた。
 この二行だけではなく、これまで富士通のシステムを導入してきた静岡銀行は日立製作所の新しいシステムに二〇二〇年度中に切り替える予定だ。また、東邦銀行(福島県)は日本アイ・ビー・エム(IBM)、みなと銀行(兵庫県)と名古屋銀行はNTTデータの勘定系システム導入をすでに決めている。このうち、りそなホールディングス傘下入りのために切り替えるみなと銀を除いて、富士通はライバルとのコンペに敗れたのだ。
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