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連載

西風455

維新との関係で計算高い関経連

2019年4月号

「たすきがけ立候補」が話題となった大阪府知事、市長ダブル選の陰で、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)の狡猾な言動が話題となった。
 吉村洋文・前市長と松井一郎・前府知事がそれぞれ立場を入れ替えて立候補するという今回の選挙について多方面から批判の声が出た。関西経済同友会の黒田章裕代表幹事(コクヨ会長)や、大阪商工会議所の尾崎裕会頭(大阪ガス会長)も苦言を呈するコメントなどを発表している。一方、関経連の松本会長は記者会見でダブル選について意見を求められると「有権者が判断すること」と当たり障りのない回答でお茶を濁した。また、「万博成功に向け官民挙げて取り組む」とも語り、大阪維新の会の都構想実現のための選挙について否定も肯定もしなかったのだ。
「そもそも大阪府が万博誘致を言い出した当時、関経連はこれに否定的だった」
 在阪の経済部記者はこう指摘する。当時の関経連会長は森詳介氏(関西電力前会長)で、橋下徹市長(当時)の脱原発発言などで維新の会と関経連の関係は完全に冷え切っていた。松本氏は当時、関経連副会長の立場だったが「やはり万博については乗り気ではな・・・