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社会・文化

将棋連盟「拝金主義」への変貌

過剰な「商魂」でブームに悪乗り

2019年4月号

 羽生善治永世七冠の国民栄誉賞受賞、藤井聡太七段の活躍で一気に火が付いた将棋ブームに乗ろうと、日本将棋連盟(佐藤康光会長=永世棋聖)が金満イベントを企画、財界要所を回って参加を呼びかけている。小学生に広がった将棋人気で、その親を対象にした企業広告を出させようという魂胆。さらには新タイトルの創設も画策し、スポンサー探しに乗り出した。もともと「賭け将棋」などアウトローなイメージも強かった将棋の路線転換を図り、知的競技としてのブランド化を狙っている。だが、悪乗りすればバブルはたちまち終息しかねない。
「将棋界のトップ棋士が一堂に会するラグジュアリーな会で、社名、商品名を露出し、イメージアップにつなげます」
 こうしたうたい文句で将棋連盟が今、懸命に売り出しているのが「平成記念イベント」である。平成の終わる今年、年間を通じてイベントを打ち、企業から資金拠出を募る。
 目玉は四月二十九日にホテルニューオータニで開くイベント。羽生、佐藤、谷川浩司九段(第十七世名人)などの重鎮に加え、藤井七段や里見香奈女流四冠などが出演し、平成を振り返るトークショー、さらにプロがチーム・・・