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トランプが組み替える「新同盟網」

日本が筆頭「従順な属国」を選抜

2019年5月号

 迷走と即興の連続だった、ドナルド・トランプ米大統領の外交に、ようやく「ドクトリン」の原型が現れた。
 十九世紀の「モンロー宣言」の改訂版で、米国の影響圏に、ロシアや中国、欧州連合(EU)の介入を拒否する、というものだ。
 新たな「トランプ=モンロー主義」では、南北米大陸のほか、日本やインド、オーストラリアといったアジア太平洋諸国が、米国の新同盟候補となる。

再選につながる外交が最優先

 新方針を明言したのは、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)である。
 米政府は、四月半ば、キューバ革命後に資産を接収された、亡命キューバ人や米国人に対し、「米国の裁判所で損害賠償請求訴訟を起こすことを認める」と発表した。実はこの規定は、一九九六年に成立したヘルムズ・バートン法で定められたものだが、過去のクリントン、ブッシュ、オバマ三代の政権が、国際社会の反発を考慮して、発効を停止してきた。
 トランプ政権にはそんな配慮はない。「なぜ今、そんなことを」と米メディアに問われ・・・