三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

公明党「年内解散容認」の裏事情

創価学会「権力構造」に地殻変動

2019年5月号

 関西は公明党、創価学会にとって、特別の場所だ。創価学会名誉会長の池田大作による一九五六年の大阪布教の躍進と、公明党結成前の同年の参議院議員選挙大阪地方区で創価学会が擁立した白木義一郎が議席を獲得したことは、「常勝関西の原点」とされる。それだけに、四月にこの地で行われた知事と市長の大阪ダブル選挙で支持候補が全敗した打撃は深刻で、戦いに距離をおいた総理大臣・安倍晋三や内閣官房長官・菅義偉に対する不満や警戒から、「連立政権離脱も辞さず」の憤怒と、「年内の衆議院解散容認」という迎合が交錯し、政局の波乱要因となっている。
「本当に六選挙区全てで日本維新の会が対抗馬を出すなら、自由民主党との連立を解消すべきだ」
 公明党大阪府本部の中に、そんな声が広がった。大阪ダブル選で圧勝した地域政党「大阪維新の会」側から、同党の掲げる「大阪都構想」の推進に協力的でない公明党に圧力をかけようと、公明党が衆議院小選挙区に議席を持つ大阪四、兵庫二の計六選挙区に、次の総選挙で、国政政党の日本維新の会が候補を立てる考えが示されたからだ。
 これまでの総選挙で公明党と維新の関西でのすみ分け・・・