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政治

「令和元年解散」は夏か秋か

消費増税「再々延期」で政権内の暗闘

2019年5月号

 東京・赤坂のふぐ料理の割烹料亭「外松」の名前が久しぶりに首相安倍晋三の動静記事に登場した。四月十五日。「外松」と言えば、かつて政界を縦横に駆け抜けた亀井静香の“夜の事務所”と言われた。亀井は連日のように外松で会談、会合を重ねた。専属のバンドをバックに亀井の笑いを誘う大きな歌声が、店の前の通りまで聞こえてきたこともあった。
 この日、亀井が招待したのは安倍と元東京都知事の石原慎太郎。そして亀井側近で今は首相補佐官の衛藤晟一。もともと安倍からの誘いがあり、亀井が外松を指定したのだった。時間にして約二時間。大半を亀井がぶちまくった。
「習近平やプーチンがまだまだやるというのに、総裁を三選で終わりなんて言っちゃだめだ」
「衆参同日選は既定路線だ」
「消費税は延期ではなく凍結だ」
 延期と凍結は同じように聞こえるが意味は全く違う。延期は次の実施時期を明示しなければならないが、凍結は事実上の無期限延期と同義語だ。それでは安倍はこのタイミングでなぜ亀井との会合の場を作ったのか。 “大音量スピーカー”と・・・