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社会・文化

《日本のサンクチュアリ × 皇室の風 》 皇室「漂流時代」への覚悟

新天皇・皇后を待つ「過酷な現実」

2019年5月号

  平成から令和へ。近現代で初めて崩御を伴わない天皇代替わりと新元号施行に、世は屈託ない祝賀ムードにあふれている。便乗しようとの政治家らの思惑も目につく。

 今後、大嘗祭のためのコメを収穫する悠紀の国(東日本)、主基の国(西日本)の卜定やお祓い、地鎮祭など多数の神事がある。十月二十二日の即位礼正殿の儀、パレードと四回にわたる饗宴があり、世界各国の元首級に招待状を出した。そして十一月十四日から十五日にかけての大嘗祭と二回の大饗と大がかりな神事、奉祝行事が打ち続く。

 しかし昭和の終焉から平成へと間近で見続けてきた者には、これからの時代も皇室も先行き不透明で厳しくなるのは必至と見える。浮かれている場合だろうか。

 平成の天皇、皇后が全身全霊で模索し彫琢した「象徴天皇」像を託される新天皇、皇后ら次世代の肩にかかる責務、負担は大きく重く、皇室「漂流時代」の幕開けとなりかねないとの危惧をぬぐえない。
 

国事行為「臨時代行」の問題 

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