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政治

大阪G20も「成果なし」の外交ショー

《政界スキャン》

2019年6月号

 参院選と同日かどうかはともあれ、間もなくある衆院選は
「令和解散」
 というネーミングに落ち着くに違いない。命名は早いモノ勝ちなので先鞭を付けておく。
 何しろ改元効果で内閣支持率が十ポイント近く上がり、野党がバラバラな今のうちに、という他に解散理由がないのだから、これほど本質を突いた呼び名はない。
 昭和の政界に
「行動を起こす時は直感。理屈は後から貨車でついてくる」
 という名言(?)があったが、今回はそれとは違う。直感どころか遅くとも今年秋までに解散するスケジュールは昨年から固まっていて、むしろこの半年間ずっと、安倍晋三首相は解散の理屈作りのために日々を過ごしてきたようなものだからだ。
 年初は、北方領土交渉を六月のG20大阪サミットで来日するプーチン露大統領と強引に合意し、
「日露解散」
 を狙うシナリオだったが、春先に楽観論が失速。次いで、北朝鮮拉致問題の新展開で世論の期待をあおって解散かと疑われ、日露を諦めた安倍首相が
「条件なしで日朝首脳会談を」
 と踏み込んだ・・・