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連載

《世界のキーパーソン》アミット・シャーインド内相

「モディ後継最有力者」戦慄の裏の顔

2019年7月号

 六週間に及んだインド総選挙が五月下旬に終わり、開票作業が始まると、首都ニューデリーのインド人政治記者は一斉に、「人民党(BJP)のアミット・シャー総裁は何のポストで入閣するのか」の取材に走った。「出口調査でBJP勝利は分かっていた。最大の焦点は、モディ首相の後継最右翼の処遇だった」と、インド紙政治部デスクは言う。
 ジャイトリー財務相が健康問題で入閣を断り、「シャー財務相」説が浮上した。だが、モディ首相は、女性のシタラマン国防相を財務相に、シン内相を国防相にそれぞれ横滑りさせ、空いた内相にシャーを起用した。「内相にシャーを就けるための、玉突き人事」(前出政治部デスク)だった。新内相は党務と国の治安を兼ねるのだ。
 シャーは今年十月で五十五歳。九月で六十九歳になるモディ首相より一回り以上若い。「皇太子」と評されるゆえんだが、剛腕ぶりも折り紙付きだ。BJP総裁として、インド全土の選挙マシンを束ね、勝利に決定的役割を果たした。
 インド国内では近年、古代インド・マウリア朝の創始者チャンドラグプタ王の宰相、カウティリヤ(ビシュヌグプタ)にたとえられる。古代中国で・・・