三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

社会・文化

《日本のサンクチュアリ》自衛隊と「選挙」

自民党「集票マシーン」の実力と内情

2019年7月号

 国防を担う自衛隊は別の顔を併せ持つ。それは日本最大級の「票田」としての機能で、現役自衛官だけで二十二万人超にも上る。家族やOBを加えれば「潜在的には百万票は下らない」(自衛隊幹部)とも推計される。選挙では各業界団体や労働組合、宗教団体など集票マシーンとして支持候補を支える集団はあまた存在するが、自衛隊はその底堅さにおいて最強組織の一角を占める。自衛隊にとっては、自民党の選挙を支えることにより、有形無形の見返りを期待できる表裏一体の関係だ。
 七月二十一日投開票の参院選に挑む佐藤正久参院議員は陸上自衛隊出身で、自衛隊イラク派遣で「ひげの隊長」として名を売り、今や外務副大臣。宇都隆史参院議員は航空自衛隊を経て政界へ転進した。いずれも防衛大学校卒業の元幹部自衛官の経歴をバックとして、参院全国区の比例代表で自衛隊票を基盤とする。OBのみならず、自民党の他の国会議員もしかり。「自衛隊の皆さんには、足を向けて寝られない」と閣僚経験者は打ち明ける。組織出身の候補ばかりか、衆参両院の選挙区でも、かれらの動向は政界絵図を左右するほど死活にかかわるのだ。

家族会やOB会もフル稼働・・・