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「ロボット記者」が米欧新聞界で活躍

「AI」が斜陽産業の救世主に

2019年8月号

 米英で人工知能(AI)を駆使した「ロボット記者」が本格稼働を始めた。
 企業ニュースや各地の天気情報、アマチュア・スポーツなどを中心に、膨大な情報を記事化、速報するもので、経済ニュース「ブルームバーグ」は三分の一が、ロボットによる記事だ。
 人間の記者がカバーしない、細かな地域情報もロボットがカバーする現象も起きており、ニュース業界の技術革命は急速に進展する様相を見せている。
 ブルームバーグ社の「AI記者」は、その名も「サイボーグ」。次々と発表される、世界中の企業情報から、「数字と事実」だけを抽出して文章化する。企業の業績ニュースは文章の定型が決まっている。サイボーグは猛烈なスピードで、この種の情報を処理していく。
「サービスの原型は、ヘッジファンドが顧客向けに始めたもの。一瞬でも早く企業情報をつかみ、利益をあげる狙いで、この種の情報はスピードが生命線」と、在ニューヨークの米経済紙記者は言う。ライバルの「フォーブス」も、AI記者として「バーティ(Bertie)」を導入した。

人間の記者より優れた速報力・・・