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社会・文化

森林「盗伐ビジネス」は無法状態

行政が放置する林業の「闇」

2019年9月号

 今年七月の霞が関のキャリア官僚人事。どの省庁も順当な異動が行われるなか、農林水産省ではある人物の処遇を巡って省内に波紋が広がった。林野庁の牧元幸司長官が七月八日付で本省の農村振興局長に就いたのだ。
 林野庁長官は、上がりポストか農水事務次官へ至る道。二〇〇〇年以降をみると、退官する例が多いものの三人がその後農水次官へと昇格している。牧元氏は昨年七月に長官に就いた時点で五十五歳だったため、次官の芽も十分にあった。それが突如、農村振興局長に就くのは異例の降格だ。そして、この人事の謎を解くキーワードが「盗伐」である。

自治体や警察も「黙認」

 宮崎県は二十八年連続で杉丸太生産量日本一を誇る林業王国。その裏で、一部伐採業者による盗伐が横行していた疑いがある。
 近年は木材価格が低迷し、森林所有者に対価を支払って伐採していては採算が取れなくなった。また、戦後に植林された杉などは五十~六十年が過ぎて伐採期を迎える一方で所有者は高齢化が進み、管理が疎かになっている陰で、盗伐する輩がいるのだ。
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