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政治

嫌韓「依存症」の安倍政権

外交成果「ゼロ」の焦りゆえ

2019年9月号

「相手が子供だと思っていれば腹も立たないのに、一緒になってやっているからおかしくなるんだ」
 自民党幹事長の二階俊博は八月上旬に開いた内輪の席で首相安倍晋三の対韓国外交を厳しく批判した。それから約二週間後の八月二十二日、韓国大統領文在寅は「日米韓連携」の象徴だった日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定。韓国政府は破棄の理由に関して日本政府がとった対韓輸出規制強化策に言及した。
 しかし、これが破棄理由の核心ではない。安倍の文に対する見下した態度にあると韓国の元政府高官は指摘する。その象徴が六月末に大阪で開かれた二十カ国・地域首脳会合(G20)だ。議長役の安倍が参加国首脳の中で一人だけ首脳会談を行わなかったのが文だった。今もテレビのニュース番組で繰り返し流される「八秒間の握手」が安倍の韓国に対する心象風景を浮き彫りにした。
「韓国国民はあの映像で文在寅支持者、反文在寅の立場とは関係なく反安倍になった」
 韓国で続く反日デモのプラカードには「安倍ノー」が目立つ。一方の安倍も周辺に文批判を語る。
「文在寅は徴用工裁判の結果につい・・・