三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

みずほを衰弱させる「グループ崩壊」

系列企業の「離反」相次ぐ

2019年10月号

「グループ唯一のリース事業会社であることを説明して取引先にも理解を求めて欲しい」。この夏、みずほ銀行(BK)の全営業店にこんな内容の御触れが回った。
 今年十月一日を期して系列の興銀リースを「みずほリース」へと商号変更させたみずほフィナンシャルグループ(FG)。取引先に今後、リースが絡んだファイナンスニーズが生じた場合には、みずほリースの利用を推奨するよう行員らに強く促した格好だ。
 無論、単に看板を書き換えさせただけではない。これに先立つ三月には、みずほ銀が第三者割当増資を引き受けるとともに市場などから発行済み株五・四%分を取得する形で、興銀リースに対する出資比率を従来の三・八%から約二三%へ引き上げ。FGとBKの持ち分法適用会社に位置づけた。
 そればかりではない。これまで旧日本興業銀行出身者らの牙城だった興銀リースの経営陣に六月、「異物」(FG関係者)を送り込んだのだ。BK副頭取だった津原周作氏とFG取締役兼執行役常務だった西山隆憲氏で、津原氏は旧富士銀行、西山氏は旧第一勧業銀行出身。グループ内部には「少なからぬ衝撃も走った」(旧富士銀OB幹部)とい・・・