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習近平を「国賓」で招くべきか

世界が日本を白眼視する可能性

2019年11月号特別リポート

 中国の江沢民元主席、胡錦濤前主席はともに就任五年後の一九九八、二〇〇八年にそれぞれ国賓として来日した。習近平国家主席は来年「桜の満開の時期」(孔鉉佑駐日大使)に来日することで日中両国政府が合意した。実現すれば理屈のうえで両国関係は完全に修復したことになる。しかし、日本の国民感情は今年五月のトランプ大統領訪日と同じ歓迎の意を表するかどうか。十月二十四日、日本の民間非営利団体「言論NPO」と中国国際出版集団が北京での記者会見で発表した調査結果がある。中国に良くない印象を持つ日本人は八四・七%という数字が出ている。
 中国が日本との関係修復を望むと口では言いながら、東シナ海でのガス田開発は、〇八年に合意した交渉再開に向けて動こうともしないし、尖閣諸島をめぐり中国公船の領海侵入の頻度は増すことはあっても減らない。去る七月には、中露両国の爆撃機が尖閣上空を領空侵犯する動きを見せるという危険な動向を示したばかりだし、これまで中国国内に滞在中の日本人で理由も不明のまま拘束された者に加えて、九月には準公務員の北海道大学の男性教授が当局によって拘束される事件が明るみに出た。国賓として中国の最・・・