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社会・文化

最近活躍「公正取引委員会」の次の標的

悪質企業への鉄槌はまだ続く

2019年11月号

「眠れる獅子がようやく起きた」
 独占禁止法や企業取引に詳しい弁護士の一人は、最近の公正取引委員会の動きについてこう語った。中には「これまでは惰眠を貪っていただけ」(社会部記者)という声もあるが、強大な権限を持った公取は、次なる標的を虎視眈々と狙っている。公取に一体なにが起きたのか。
 最近、公取の名を新聞やテレビで見かけることが増えた。この秋に限っても、飲料用の缶の納入を巡って価格カルテルを行っていたとして、製缶大手三社に対して排除措置命令を下すとともに、計二百五十七億円の課徴金を科した。また、LIXIL傘下のホームセンター「ビバホーム」が下請け業者にスタッフ派遣を強要し無償作業を行わせていた件について行政処分を行った。さらにドイツの自動車大手BMWの日本法人が、販売店に対して達成不可能なノルマを課していたとして立ち入り検査を行っている。
 関係者の間で大きな注目を浴びたのは、ネット上でも波紋を広げたジャニーズ事務所への「注意処分」だ。
 同事務所を退所したタレントを出演させないよう、放送局に圧力をかけていた疑いで、公取が調査を行い、注意を下し・・・