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文在寅「反日側近」の暴走

日米韓協力の「阻害要因」金鉉宗

2019年12月号

 日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が無効となる直前の十一月二十二日夕、韓国が協定破棄の「効力の停止」を宣言し、日米韓の連携に亀裂が入る事態は避けられた。
 今回の混乱を招いた張本人は、文在寅大統領の側近、金鉉宗大統領府国家安保室第二次長(六十)だ。反日、反米、親北朝鮮路線の文政権の中でもタカ派と目される。文政権の暴走に拍車をかける「反日側近」の動向に、ソウルの外交関係者たちは神経をとがらせている。
「安倍晋三の父親は安倍晋太郎だ。『晋』の字は、高杉晋作からきている。高杉の師匠は吉田松陰だ。吉田の弟子には、(初代韓国統監)伊藤博文や山県有朋ら征韓論者がいる。安倍政権には征韓論のDNAが流れているのだ」
 金鉉宗氏が、講演やインタビューなどで好んで言及する一節だ。安倍政権に対する認識の根底に不信感と敵意がみなぎっていることがうかがえる。

青少年期の体験が影響

 金鉉宗氏は、慰安婦、徴用工、韓国海軍の自衛隊機に対するレーダー照射事件など日韓関係が悪化の一途をたどっていた今年二・・・