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経済

東京モーターショー入場者「水増し疑惑」 トヨタ章男「実績作り」の姑息

2019年12月号公開

 十一月四日で閉幕した東京モーターショーの入場者数について「水増し疑惑」が浮上している。
 主催した日本自動車工業会は、今回の入場者数が百三十万人を超えたと発表。二〇一七年より開催期間が二日長かったとはいえ、来場者数が前回の七十七万人から一気に七割近く増加したという。
 しかし、その裏には「カラクリがある」(経済誌記者)。今回、東京ビッグサイトが五輪に向けて準備中ということもあり、変則的な会場構成となり、「無料エリアが大幅に拡充された」(同前)。そして、自工会が発表した数字は、「無料エリアの入場者数も加えている」(同前)というのである。前回までは基本的にチケットを持った人の数だったというから、基準が変わっているのだ。
 背景には「トヨタ自動車の豊田章男社長が自工会会長として華々しい成果を残すため」(自動車業界関係者)という事情がある。実際、「トヨタの下請け企業にも必ずチケットを購入して行くように、という強いお達しがあった」(同前)。新たな「章男神話」の捏造ともいうべき所業である。