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北朝鮮ミサイル技術「飛躍的進歩」の裏側

主導する「旧ソ連外人部隊」

2020年1月号

 北朝鮮は十二月七日と十三日、北西部・東倉里の「衛星発射場」で「極めて重大な実験」を二度にわたり実施した。米側は衛星画像の分析から、大陸間弾道ミサイル(ICBM)用のエンジン燃焼実験とみており、東倉里で車両の移動など慌しい動きが観測された。金正恩委員長は二〇一八年四月の声明で、核実験とICBM実験の停止、核実験場の廃棄を表明していたが、米朝交渉の不調が続く中、約束を撤回し、再度ICBM実験に着手しつつある。
 北朝鮮の金星国連大使は「米国と長々と対話する必要はない。非核化は交渉のテーブルから外れた」と交渉打ち切りを示唆した。米本土を射程に収めるICBMの発射実験は日本上空を通過する可能性があり、米国の専門家、ダニエル・スナイダー・スタンフォード大学講師は、「日本人は新年をスマホの警告音で祝うことになるかもしれない」と指摘した。

ウクライナで暗躍する北工作員

 国際情報筋は、東倉里発射場での「重大実験」に、ウクライナ人のミサイル専門家が立ち会っているとの情報を明らかにした。実験失敗が続いた北朝鮮は、一・・・