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リビア内戦は「東地中海紛争」に拡大

周辺国と主要国が続々「介入」

2020年1月号

 リビア内戦が、ロシアとトルコの介入により、一大国際紛争の様相を呈してきた。東地中海の海底ガス資源が各国の利権を引き付けており、イスラエル、エジプト、欧州連合(EU)など周辺国総出で内戦を激化させている。独裁者ムアンマール・カダフィー殺害から八年経つのに、危機拡大の一途で、資源大国の荒廃が進んでいる。
「内戦の様相が一変した」と評されたのが、ロシアの民間軍事会社「ワグネル・グループ」による、ハリファ・ハフタル将軍側への支援である。ウラジーミル・プーチン大統領は、正規軍ではなく、ワグネル社の約二百人を現地に送った。「民間」と言っても全員が露軍でならした精鋭だ。
 猛威を振るうのが、狙撃部隊だ。驚異的な命中率で、投入直後から国民合意政府側を圧倒した。前線取材した米国人記者は、「狙撃兵が怖くて、国民合意政府側は自陣に釘付けになった。対物ライフルの破壊力もすさまじく、リビア人では全く歯が立たない」と語る。
 ハフタル派は二〇一九年春から、首都トリポリに迫りながら、半年以上も攻めきれずにいた。ハフタル将軍は、強力な援軍到来に大喜びで、十二月に「首都制圧の最終段階」を・・・