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連載

西風464

「新世代夜行」が復活する2020年

2020年1月号

 かつて、日本中を結び旅行客を運んでいたブルートレインに代表される夜行列車。二〇〇〇年代に入って次々と廃止となり、現在、通常運行されているのは東京と出雲、高松を結ぶ「サンライズ出雲(瀬戸)」だけとなった。そんな中、JR西日本が計画している新たな夜行列車の概要が一九年十一月に詳らかになり、鉄道ファンだけでなく、かつて夜行列車で旅をした層も喜ばせている。
 二〇年五月から運行をスタートさせる「WEST EXPRESS銀河」は、京都・大阪と出雲を週に二往復程度結ぶ。寝台列車ではなく、座席は普通車指定とグリーン車指定に加え、グリーン個室という新キップも誕生する。
 JR西では一五年まで大阪~札幌間で「トワイライトエクスプレス」という寝台特急を運行し、チケットがとれないほどの人気を博していた。一九八九年に運行を開始したこの列車は、毎日ではないため、正確には臨時寝台特急で、車体の老朽化から、惜しまれながらも廃止されてしまった。
「JR西にはトワイライトに代わる特急を求める声が寄せられ、今回の銀河はその回答のひとつ」
 鉄道ジャーナリストの一人はこう語る。正式・・・