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社会・文化

なぜか存在霞む 「神道政治連盟」

「安倍の世」なのに退潮の不思議

2020年1月号

「二〇二〇年は神道政治連盟(神政連)にとって大きな節目の年を迎える。しかし、所帯の大きさとはウラハラに、その影響力はどんどん低下している」
 神社本庁の関係者はこう語る。結成から五十周年を迎えた神社本庁の政治運動団体である神政連は全国の神社に奉職する神職らの活動によって支えられている。そしてその支持団体として設立された神政連国会議員懇談会(議連)は約三百人もの議員を抱えながら、その政治力は限定的だ。安倍晋三首相という「保守政治家」が政権にありながら、なぜこのような事態になったのか。
 一部幹部の利権団体化しつつある神政連のあり方を憂う声も聞こえてくる。

日本会議との連携が裏目に

 一九年十一月八日、神政連は設立から五十周年を迎えた。神政連の母体である神社本庁は毎年六月が年度末のため、新年が明けても五十周年の節目の年度が続く。また、議連は来る六月に記念祝賀会が開かれる予定だ。
 神政連は一九六九年、「世界に誇る日本の文化・伝統を後世に正しく伝えることを目的に」設立された。
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