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政治

野党共闘「四分五裂」の最悪シナリオ

枝野・玉木で「大同団結」は無理

2020年2月号

 複数の磁石を無理に一つのスペースに押し込めようとすると、磁力でくっつくどころか、斥力で四散することがある。国会での共同会派結成を経て、半年以上も模索された立憲民主党と国民民主党の合併話も、これと似ている。党首会談でもまとまらなかった合併構想は、もともと内包していた反発力を強めるばかりで、むしろ四分五裂の危機に直面している。
 第二百一回通常国会が召集された一月二十日夕、内部からの突き上げで開催された国民民主党両院議員総会では、合流慎重派の意見が勝り、合併協議は当面、棚上げされることになった。

前原と桜井の新党構想

 合流に消極姿勢が目立つ国民民主党代表・玉木雄一郎は周辺に「合流しようと、しまいと、しばらく党内はガタガタする。せっかく政権を『桜を見る会』の問題やIR(統合型リゾート)汚職疑惑で厳しく追及できるチャンスを、合流問題にエネルギーを殺がれて逃したくない」と打ち明ける。総理大臣・安倍晋三が衆議院解散・総選挙を仕掛けるには、あまりにも地合いが悪い。ならば、焦って合流する必要はない。選挙が近づき・・・