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社会・文化

都市部不動産も侵食する「中国マネー」

地域の変貌に困惑の事態続出

2020年2月号

 中国を背景に持つ外資の日本国内の不動産買収は水源林や国境離島、防衛施設周辺と、目立たぬ場所から静かに進められてきた。リゾート地やソーラー発電用地へと大胆に広がっているが、ここにきて都市部での中国人による不動産購入が問題視されている。
 最近、動きが顕著なのは「元寇」の舞台となった博多湾に面したエリアだ。
 福岡ヤフオク!ドームにも程近い福岡市の沿岸部、百道浜では中国マネーによる不動産買収の動きがたえない。登記をとっても日本人の名義を使っているケースが多く、全貌の把握は難しい。しかし、ある情報源を基に中国人に買収されたエリアを歩いてみると、細い路地を立ち入り禁止の鎖や看板でふさいで、進入できなくなっているところもある。
 こうした買収の動きは市内の志賀島や、福岡市と隣接して博多湾に臨む新宮町、糸島市でも確認されているのだ。そして「実質的に中国人が保有する一軒家が民泊に利用されているケースも少なくない」(地元関係者)という。最近は福岡県にも中国人観光客が多く訪れているが、はたして地元にどれだけの効果があるのか疑問だと語るのは博多の商店主だ。
「賑わ・・・