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政治

《罪深きはこの官僚》大塚幸寛( 内閣府官房長)

「桜を見る会」 国会紛糾の主犯格

2020年3月号

「桜を見る会」の問題は、桜のつぼみが出始める時期までずれ込んでしまった。二月に入り、公文書管理を担当する内閣府特命担当大臣、北村誠吾の迷走答弁が繰り返され、国会が紛糾した。
 その元凶として名指しされる官僚が内閣府官房長、大塚幸寛だ。それまでリスト処分の問題などについて国会で答弁に立っていたのは大塚だったが、一月に発覚した不手際により原稿読みさえおぼつかない北村を引っ張り出すしかなくなったのだ。大塚の部下にあたる内閣府の部下はこう声を潜める。
「『政権の危機管理』と称し、先回りしてさまざまな工作をするが、細部が雑だ。結局、野党から必要以上に激しい攻撃にさらされた」
 安倍首相主催の「桜を見る会」の政府推薦者名簿をめぐり、大塚は国会に提出する前に「内閣官房内閣総務官室」という部局名を消したり、シュレッダー処分では野党側が反発する答弁を繰り返したりした。政権のためなら違法すれすれの行為も辞さない姿勢は、「第二の佐川宣寿」という異名もつくほど有名だ。佐川といえば、森友問題での書類改竄の戦犯でありながら国税庁長官を務めた元財務官僚。大塚はそれよりも小物だ。ある政府・・・