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政治

「最後の楽園」在外公館の拡大路線続く 外交成果なき外務省の税金無駄遣い

2020年6月号公開

 コロナ禍による外交凍結の中、外務省が異常な在外公館拡大路線を進めている。今年度はハイチに大使館、フィリピン・セブに総領事館を開設。来年度もベトナムのダナン総領事館など三カ所の在外公館開設を計画している。大使館、総領事館、政府代表部から成る在外公館は現在二百七十一カ所。しかし、これ以外に外交官が常駐する駐在官事務所が四カ所、領事事務所等が二十一カ所もあり、外務省は今後、これらの事務所を大使館、総領事館に格上げする方針だ。
 その場合、在外公館数は安保理常任理事国のロシアを抜いて四位となる。外交成果もほとんどないのに、異常な拡大路線である。各地の館員は高額の在外勤務手当など国内の三倍近い収入を得て、コロナ禍の現在、広い邸宅や高級マンションで優雅な巣ごもりを決め込んでいる。国内の失業者が百万人を超えるというのに、外務省は「最後の楽園」をさらに増やそうとしており、「税金ドロボー」の声が強まりそうだ。
 


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