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政治

《罪深きはこの官僚》五味賢至(防衛省大臣官房企画評価課長)

嘘まみれ「陸上イージス」 迷走の大元

2020年7月号

「担当者として全体をハンドリングしていたのに、なぜ責任を問われずにのうのうとしているのか」
 防衛省関係者がこう言って呆れるのは、同省大臣官房で企画評価課長を務める五味賢至のことだ。昨年七月まで防衛政策局の戦略企画課長として、今回導入断念が決まったイージス・アショア配備に向けた動きの中心にいたのが、この五味である。
 東京大学経済学部出身の五味は一九九五年に旧防衛庁に入庁し、これまで、人事教育局人事計画・補任課や、防政局防政課基政班長などでキャリアを積み、二〇一七年八月に戦略企画課長ポストに就いた。同年十一月の日米首脳会談を経て首相、安倍晋三がイージス・アショアの導入方針を決め、五味は担当者となった。前出関係者は「制服組(幕僚監部)にほとんど相談せずに進めるというやり方に問題があった」と指摘する。これが、ブースター問題が最後までこじれる原因になったという。
 この防衛システムに使われるSM-3ブロック2Aという迎撃ミサイルは、発射器から打ち出されたのちに一定の速度、高度に達した段階でブースターを切り離す。防衛省側は切り離されたブースターについて、一八年十月・・・