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連載

新大学評判記 第7話

東京医科歯科大学 新型コロナで大赤字だが評価の声

2020年7月号

 都内の新型コロナウイルスへの新規感染者数の動向はいまだに予断を許さない。入院患者は五月中旬以降順調に減少していたが、六月に入って二百人程度を底に横ばいを続けている。
 一月から中国国内での感染が拡大し、日本人帰国のためのチャーター機乗客の感染者などが問題になっていたにもかかわらず、「東京都が都内の病院に新型コロナ患者受け入れを要請し始めたのは三月になってから」(全国紙社会部記者)だった。首都・東京には国立、公立、私立問わず多くの医療機関が集結しており、医学部のある大学だけでも十三を数える。しかしその時点で、都の要請に前向きに応えられる医療機関は少なかった。国や都だけでなく、医療機関や大学も、未知の感染症への備えが十分とはいえなかったのだ。

「単科大学」ならではの強み

 そんな中、東京医科歯科大学では様相が違った。同大学で新型コロナ対策本部が設置されたのは一月二十八日。これは「国内の大学としてはトップレベルの早さで、かなり早い段階で今回の新型コロナの危険性について備えを行っていた」(医療担当記者)の・・・