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政治

宗教団体に持続化給付金を検討 憲法違反のタブーに踏み込んだ背景

2020年7月号公開

 コロナ禍に苦しむ中小企業等への持続化給付金事業で、宗教法人への給付検討という「タブー」が犯されていた。五月中から仏教業界紙などで、対象拡大と宗教法人への適用についての報道が出ており、現にこの間、「経済産業省で検討が行われたほか、自民党の部会などでも議論された形跡がある」(全国紙記者)。これは憲法八十九条が禁止する宗教団体等への公金支出にほかならず、議論すること自体が由々しき事態である。
 業界紙報道によれば、日本宗教連盟が政府などに要望書を提出したほか、宗教法人を所管する文化庁が経産省などに打診したという。ただ、「実際に強力なロビー活動を行ったのは神道政治連盟を擁する神社本庁」(同庁関係者)だった。神政連が自民党議員へ働きかけ、さらに各都道府県の神社庁も傘下の神社に「地元議員に陳情するように組織的な指示があった」(同前)とされる。「仏教業界では慎重論も根強く、議論の俎上にのった最大の原動力は神政連だった」(前出業界紙の関係者)。神社本庁との距離が近い安倍晋三政権下とはいえ、検察官の定年延長と同様、越えてはならない一線を越えた。


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