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政治

選挙マシーン「創価学会」の黄昏

コロナが砕いた組織の結束

2020年8月号

 東京・両国の日大講堂(旧国技館)。約二万人の聴衆の視線を一身に浴びるスーツ姿の三十二歳の青年が壇上の演台前に立つ。「若輩ではございますが、本日より、戸田門下生を代表して、化儀の広宣流布を目指し、一歩前進への指揮を執らせて頂きます」との第一声に、場内から割れんばかりの拍手がわき起こった。この青年こそ公明党の支持母体創価学会名誉会長、池田大作の若き日の姿だ。
 このシーンは池田の会長就任六十周年を記念して、七月十日から全国各地の学会の会館で上映されている映像『指揮はわれにと 不滅の第三代会長就任式』の一コマである。これに先立ち池田の足跡を記した記念年譜『栄光の共戦譜』も学会員に配布されている。
 新型コロナウイルスの影響で「クラスターでも発生しようものなら目も当てられない」(幹部)として、学会も二月十八日から活動を休止していた。政府のイベント開催制限緩和に合わせ、待ちに待った七月十日からの活動再開の嚆矢に、「永遠の指導者」を前面に押し出し会員の結束を図る狙いだ。
 ただ現在九十二歳の池田が公の場から姿を消して十年もたつにもかかわらず、カリスマの往時の栄光を引・・・