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政治

次は「菅」に絞られた

来年九月までの「短期リリーフ」政権

2020年9月号

「国民の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、首相の地位にあり続けるべきではないと判断した。首相の職を辞することとする」
 八月二十八日午後五時過ぎ、安倍晋三(六五)はうっすらと目に涙を浮かべて首相退陣の意向を表明した。つい四日前の二十四日、安倍は連続首相在任日数が二千七百九十九日に到達。大叔父に当たる佐藤栄作の記録を抜いて憲政史上歴代最長を記録した。しかし、同時にこの日朝、安倍が向かったのは東京・信濃町の慶應義塾大学病院の予防医療センター。十七日にも同センターを訪れており、誰もが「異変の予兆」と受け取った。二度目の通院は側近にも知らされず、なるべく事を小さくしようという情報操作の意図を窺わせた。
 しかし、この段階で既に安倍は退陣を決断していた。表向きは検査だったが、実際は治療に多くの時間が費やされた。一度目の通院時間は約七時間半。二度目も約三時間半に達した。安倍の症状が容易ならざる状況にあることを示唆した。
 安倍自身が退陣の会見で、八月上旬に再発が確認されたことを明かした。確かにこの直後から側近幹部が次々に安倍に静養を勧めていた。八月十五・・・