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経済

トヨタの意向で「下請け見殺し」 コロナ倒産に乗じて供給元を再編

2020年9月号公開

 コロナ禍の影響が、トヨタ自動車のお膝元である愛知県で広がりつつある。トヨタの二次下請けで名古屋市に本社を置く金属プレスの「イワヰ」が七月三十一日に民事再生法の適用を申請。同社は年間売り上げ百億円規模の企業で、ここ数年は連続で赤字。新型コロナ騒動以前の今年一月期の段階で、売上高が約八十七億円に落ち込んでいたところに、コロナ感染拡大が追い打ちをかけた。
 もっとも、同社については「これまでは地元金融機関も見捨てずに事業を継続してきた」(経済誌記者)。今回も一次下請けなどが協力すれば民事再生は避けられたとみられており、「一次下請けを中心としてサプライヤー再編を画策するトヨタの意向」(同前)とみられている。トヨタが「下請けを守れ」と号令をかける一方で、実際には「さらなる値下げ要請を続けている」(同前)ため、今後はもっと大規模な吸収・合併や淘汰が起きるとみられている。ここにきて「愛知県内の中小製造業者の資金繰りが急速に悪化している」(地元金融機関関係者)といい、トヨタのお膝元での一層の「冷え込み」が危惧されている。


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