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連載

西風 473

生まれ変わる「大阪城周辺エリア」

2020年10月号

 大阪城とその周辺エリアに少しずつ観光客が戻りつつある。以前のような外国人が押し寄せる光景は戻っていないが、新型コロナウイルス禍に負けまいと、模索を続けている。
 この地域は、大阪府、市が二〇一二年にまとめた「グランドデザイン」で、都心部最大の緑地などを活かし、観光などの重点エリアに指定されている。JR環状線の内側に広がる大阪城公園の北側には、大企業の関西における拠点が集結する大阪ビジネスパークが鎮座する。さらにその北にはJRと京阪電鉄、大阪メトロが乗り入れるターミナル、京橋駅があり、一帯は大阪市内東部における観光、文化、商業の中心地と言える。
 一方で、環状線の外側、いわゆる森之宮地区に並ぶのはJRの電車区や市営地下鉄検車場、清掃工場跡地、下水処理場などだ。都市再生機構(UR)の団地など居住地もあるが、東側の賑わいと比較すると、どうしても落差が目立つ。
 逆に言えば、森之宮地区は大阪中心部に残る、「ポテンシャル」を秘めたエリアであり、前述したグランドデザインでもその点への言及がされていた。
 そこに昨年、降って湧いたのが、大阪公立大学の拠点キャ・・・