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経済

《クローズ・アップ》森本 孝(関西電力社長)

不祥事処理で新旧経営陣が「内紛」

2020年10月号

「もういい加減にしてくれ」
 三月の就任時から予想されたこととはいえ、関西電力社長・森本孝の体たらくに経済産業省の幹部は怨嗟の声を上げる。
 関電が六月、原発をめぐる金品受領や報酬補塡に関し、旧取締役五人を訴えた損害賠償訴訟―。当初は新旧経営陣の合意の下、十九億円超の請求も賠償責任保険で処理し、一連の不祥事はこれで幕引きとみられた。ところが一転、元社長・会長の森詳介が激怒、訴訟却下を主張し、関電十八番の内紛に発展しているのだ。
 森は、関電の監査委員長を務める社外取締役・友野宏(旧新日鐵住金社長)へ電話し、「訴訟の弁護士二人を解任しろ」と圧力を掛けたとされる。本人は“圧力”を否定しているが、周囲は「森さんらしい」と苦笑する。森はしばしば激昂し、瞬間湯沸かし器と言われるほど癇が強いからだ。森本は森の人柄を知悉していたはずではないか―。関電関係者が囁く。
「森さんに指名された社長に、当事者能力があるわけないやろ」
 森本は金品受領に関わっていないが、不祥事を漠然と知らされており、社長昇格には否定的な声もあった。それを・・・