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社会・文化

「ロシア製ワクチン」の売り込み攻勢 新型コロナ対策で厚労省が警戒

2020年10月号公開

 世界で初めて承認されたロシアの新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」をロシア政府が、日本の製薬会社や政界関係者らに売り込みを掛け、厚生労働省がロビー活動に警戒を強めている。
 製薬会社の幹部らによると、ロシア政府はこのワクチンを早期に世界各国へ輸出したい考えで、日本では、ガルージン駐日大使ら在日ロシア大使館の関係者が政治家にスプートニクVの採用を働きかけたり、国内の製薬会社に提携を持ちかけたりしているという。TBSが「独自」と銘打ち、当該ワクチンの接種現場を取材するなどメディアへの露出も増やしている。
 厚労省は安全性などへの懸念から「すぐに輸入したり、日本で承認したりする可能性はない」と慎重な姿勢を崩していない。現時点でロシア側との提携に応じた製薬会社はないとみられるが、開発を支援するロシアの政府系ファンドの幹部は「三十カ国以上が関心を寄せており、その中には日本も含まれる」と自信を見せている。
 


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