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孤立の習近平に 「抵抗勢力」の叛旗

「三期目」巡る暗闘が激化へ

2020年11月号

 中国の習近平政権は十月二十日、人民日報と新華社の社長の同時交代を発表した。いずれも編集長から社長への昇任だが、二大官製メディアのトップが同時に交代することは異例だ。人民日報新社長の庹震氏は、広東省党委員会の宣伝部長を務めていた二〇一三年初頭、改革派の新聞「南方週末」の新年の社説を強引に改稿し、香港メディアから「言論弾圧の急先鋒」と呼ばれた。新華社の新社長の何平氏は、最高指導部メンバーを取材する同社の「国内部中南海班」の出身で、党中央、特に習近平周辺と太いパイプを持つことで知られる。
 一方、今年四月以降、公安省次官の孫力軍氏、重慶市副市長兼公安局長の鄧恢林氏、上海市副市長兼公安局長の龔道安氏ら、警察の高官が相次いで失脚した。それに伴う人事異動で、習氏の故郷の陝西省公安庁出身の胡明朗氏が重慶市公安局長に登用されるなど、多くの習グループの若手が警察の要職に就いた。
 中国建国の父、毛沢東は「政権を支えるのに二本の棒が必要だ」といった。ペン(メディア)と銃(軍と警察)の意味だが、毛沢東を尊敬する習氏が、メディアと警察幹部の刷新に踏み切ったのは「二二年の党大会前に、安心で・・・