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米英の「特別な関係」は終焉へ

バイデンが英国を許さぬ「二つの理由」

2020年12月号

 不倶戴天の敵であるジョー・バイデン米次期大統領と、ドナルド・トランプ大統領が、滅多にない意見の一致を見たのが、ボリス・ジョンソン英首相の評価だ。バイデン氏は「体つきも心根もトランプのクローン」と呼び、大統領は「英国トランプ」と表現した。
 もちろん、含意はまるで違う。バイデン氏の方は、明らかな侮辱の言葉であることから、英国では「ジョンソン首相は次期米政権とうまくやっていけるのか」との議論がかまびすしい。米英間では、国際政治の舞台で「特別な関係(スペシャル・リレーションシップ)」が長く続いてきた。
 だが、個人的関係より遥かに問題なのは、ジョンソン政権と中国政府との間の、もう一つの「特別な関係」だ。近年の野放図な中国資本導入や中国企業進出が、次期米政権下で見直しを迫られるのは確実で、米英の「特別な関係」は、ゆるやかに終焉を迎えている。
 十一月の大統領選で、ジョンソン首相がいかに衝撃を受けたか。その象徴的事件が、投票日から十日後の十三日、ダウニング街十番地の首相官邸で起こった。
 昨年七月のジョンソン政権誕生以来、首相官邸を牛耳ってきたドミニク・・・・