コロナ「イタリア起源説」の真贋
ウイルス拡散の深まる謎
2020年12月号
新型コロナウイルスの「世界最初の例」が中国に登場してから十一月半ばで、一年を経た。中国・武漢の華南海鮮卸売市場が震源地との見方が現在でも最有力だが、中国政府が国際調査団の受け入れを認めていないこともあり、「決定的証拠」はいまだ見つかっていない。
十月には、イタリアの研究者チームが、「イタリアでは二〇一九年九月時点で、新型コロナウイルスが拡散していた」との調査結果をまとめた。
起源説をめぐる議論に新たなパズルの登場である。世界中の研究者が一年かけて懸命の調査をしているのに、今もって疫病の起源さえ分かっていない。
昨年九月には広範に拡散
最新の研究は、ミラノにあるイタリア国立がん研究所(INT)によるものだ。INTは、昨年九月から今年三月に、肺がん検査を受けた九百五十九人の採血標本について、新型コロナ感染があったか否かを調べ直した。
イタリアで公式に「イタリア人の新型コロナ感染第一号」が出たのは、今年二月。これより前に採血したイタリア人のうち、一一・六%が、新型コロナへの抗・・・
十月には、イタリアの研究者チームが、「イタリアでは二〇一九年九月時点で、新型コロナウイルスが拡散していた」との調査結果をまとめた。
起源説をめぐる議論に新たなパズルの登場である。世界中の研究者が一年かけて懸命の調査をしているのに、今もって疫病の起源さえ分かっていない。
昨年九月には広範に拡散
最新の研究は、ミラノにあるイタリア国立がん研究所(INT)によるものだ。INTは、昨年九月から今年三月に、肺がん検査を受けた九百五十九人の採血標本について、新型コロナ感染があったか否かを調べ直した。
イタリアで公式に「イタリア人の新型コロナ感染第一号」が出たのは、今年二月。これより前に採血したイタリア人のうち、一一・六%が、新型コロナへの抗・・・