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政治

《罪深きはこの官僚》國分良成(防衛大学校長)

不祥事続発「規律荒廃」の重い責任

2020年12月号

「防衛省内では問題を黙殺するつもりのようだ」
 同省関係者が憤る。防衛大学校の学校長、國分良成ら幹部が十月に山梨県内の飲食店で会食していたという、毎日新聞がネット上で掲載した記事が波紋を広げている。自衛隊での新型コロナ感染者が増加した八月、省内や自衛隊については飲酒をともなう会合を実質的に禁止しており、防衛省の付属機関である防大もこれに含まれる。
「士官学校」のトップが命令に違反するのでは、国防組織の規律が保たれるはずもない。
 國分はそもそも、自衛官でも役人でもなく学者である。一九七六年に慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、同大大学院に進学。博士課程を終えた後は講師、助教授、教授と順調に研究者としてキャリアアップしてきた。
 専門は中国現代史で、慶應の塾長を四期十六年にわたって務めた石川忠雄(故人)の門下生だ。石川の隠然たる影響力もあって、國分は慶應大の東アジア研究所所長や法学部長も歴任している。そして民主党政権時代の二〇一二年四月に防大学校長に招聘された。慶應は防大の初代と六代目の学校長を輩出しており、縁が深い。
 通常の「官僚」の・・・

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