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社会・文化

熊「出没多発」に悩める猟友会

混乱する害獣駆除の現場

2020年12月号

 各地でクマの出没が相次ぎ、住宅が多く立つエリアに姿を見せるケースも頻発している。猟銃を持ち蛍光色の反射板のついたベストを着たハンターらが集まり、自治体の職員や警察官が出動する光景も報道される。有害鳥獣駆除の現場では多くの場合、最終的に射殺するため、警察官による指示や命令が重要だ。警察官がクマの駆除に対応する際の唯一の根拠法は警察官職務執行法第四条の第一項である。少し長くなるが、必要部分を抜粋したものは以下の通り。
「警察官は、人の生命若しくは身体に危険を及ぼ(略)す虞のある天災、事変、(略)狂犬、奔馬の類等の出現(略)がある場合(略)その場に居合わせた者、(略)その事物の管理者その他関係者に対し、危険防止のため通常必要と認められる措置をとることを命じ、又は自らその措置をとることができる」
 土台は昭和二十三年に施行された法律であり、表現は古い。「狂犬、奔馬の類等」という部分にクマが含まれ、ハンターによる猟銃の使用が「必要と認められる措置」にあたると解釈されている。狩猟区域ではない住宅街での発砲では銃刀法違反に問われる可能性があるが、これによって阻却されるのだ。{b・・・