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米朝関係に走る「軍事的緊張」

金正恩「瀬戸際外交」が再開へ

2021年1月号

 二〇二一年以降の米朝関係を占う試金石として一月発足する米国のバイデン政権が、二年以上にわたって中止、もしくは規模縮小を余儀なくされた米韓合同軍事演習を再開するかどうかに韓国の安全保障専門家たちは注目している。演習の再開は、北朝鮮に対する抑止力を取り戻し、日本や韓国の安全保障を確保する上で急務だが、北朝鮮の軍事挑発再開の引き金になるためだ。
「米韓合同軍事演習が二年間ほとんど進んでいない。朝鮮半島有事の際に米韓連合軍が能力を発揮できるかどうか極めて憂慮される状況だ」韓国国防省関係者はそう打ち明ける。
 シンガポールで一八年六月十二日に行われた米朝首脳会談後、トランプ米大統領は、米朝交渉が進んでいる間は演習の中止を検討すると記者会見で述べた。それ以降、毎年春に行われてきた最大三十万人前後が参加する野外機動訓練「フォール・イーグル」と机上訓練「キー・リゾルブ」、毎年夏に有事の指揮命令系統を確認する机上演習を中心とした「フリーダム・ガーディアン」が打ち切られた。この間、行われたのは米韓両空軍による「ビジラント・エース」など一部に限られた。

演習再開を阻止したい文政権・・・